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【2017年5月時点】超面白いから観てほしい海外ドラマ52選!!

この記事は2017年5月30日に更新されています。

 日本のドラマに飽きた。海外ドラマを観てみたい! ──と思っても、いざ作品を選ぼうとなったら「一体、どの海外ドラマを選べばいいの!?」と迷ってしまうものです。作品数もさることながら、ジャンルもいっぱいあるから何が面白いのか分からん……。

 そんな人のために、僭越ながら超面白いから観てほしい海外ドラマを52作品を選んでみました。

宣誓 本記事で紹介している作品を、私は全て視聴しています。

 観てない。読んでない。買って使ってない。ないないばかりの紹介記事も存在するからね。一応、宣誓。

 なので、紹介するドラマのジャンルが非常に偏っています。そして勧めるポイントも、人によって──特にファンにとっては「え、そこ?」って納得できない可能性があります。あくまで個人的に「面白い!」と思った作品の選定であることをご了承ください。

 先に謝っておこう。独断と偏見で「超面白い」とか言ってゴメンナサイ

超面白いから観てほしい!ジャンル別オススメ海外ドラマ52選

ルール

  • 作品の年代やジャンルを問わず、束子が「面白い!」と感じた作品であること
  • スピンオフ作品が多い場合は「シリーズ」としてまとめた後、各作品に言及すること
  • ネタバレは極力避けること
  • 完結、打ち切りを問わず、終了した作品には【完】の表示をタイトル横に示すこと

注意事項

  • ジャンルをひとつに絞れない作品は、作中の割り合いから独断でひとつに絞っています(例:アクション・ミステリーの場合、6:4で『アクション』が多いと判断した場合は『アクション』に割り振る)。
  • 俳優や女優、吹き替え版の声優名は全て敬称略で記述しています。

サスペンス&ミステリー

Breaking Bad/ブレイキング・バッド【完】

 化学教師ウォルター・ホワイトと元教え子ジェシー・ピンクマンが、純度の高い覚醒剤を作って悪の道を突っ走っていく作品。

 ──と書くと、すんごいダーディーな話っぽいですが、そんなことはございません。何故なら、ウォルターがパッとしない気弱なオジさんなのです。

 奥さんの性格はキツいし、掛け持ちで働いてる洗車場ではサービス残業させられてるし……もう、ウォルターしっかり!! って感じ。しかも肺ガンを患っていて、余命宣告をされているのです。残される家族へ遺産を残したいがために、ウォルターは自分が持つ“化学の知識”を“悪”に使います。

 ジェシーもヤクの売人をやってるけど、根っからの悪人というわけではない。どちらかというと、悪ぶってるチンピラといった風で小物感に溢れてる。

 そんな2人が、如何に極悪な「ドラック界の帝王」に上り詰めていくのか。──ギャングから奪った現金を洗濯機で文字通り“洗浄”したり、砂漠の真ん中で白ブリーフ姿を晒していたウォルターが、どのように悪に染まっていくのか。秀逸なストーリーと演出に、終始目が離せない作品です。

SHERLOCK/シャーロック

 イギリスBBC製作のミニドラマ・シリーズ。21世紀に生きるシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトソンが、現代人らしく文明の利器を駆使しながら事件を解決していく作品。

 本作の魅力はやっぱり、ホームズ達がスマホを操り、タクシーに乗って事件現場へ馳せ参じ、監視カメラで偵察しているところではないだろうか。正直、シャーロックブーム──というかカンバーバッチブームの時は、全然興味なかったんですよね。シャーロック? いやいや、シャーロック・ホームズはコナン・ドイル氏のホームズ一択だろ常識的に考えて。現代で描くホームズ&ワトソンくんはさぁ、ロバート・ダウニー・Jr.の作品で十分だよ。アレだって結構ギリだからね?

 ──なーんて、考えていた時が懐かしい。お気に入りのドラマを借りつくして、仕方なく観たらすごく面白かった。はまった、悔しい。ホームズ達がスマホ使ってるとか、なんか笑える。あと、シャーロックが社会病質者でコミュ症っぽく、サイコパス一歩手前なのも面白い

 シーズンと話数、共に長くなりがちな海外ドラマ。対して『SHERLOCK/シャーロック』は全シリーズ90分×3話なので、手が出しやすいもの魅力です。

エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY

『Sherlock/シャーロック』同様、現代版シャーロック・ホームズの位置付けとなる。ホームズ&ワトソンがイギリスからニューヨークに舞台を移し、事件を解決していく作品。

 最大の特徴は、ワトソンが女性なところ。シャーロック・ホームズの派生作品はたくさんあるけれど、女性ワトソンは『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』がです。だから名前もジョーン・ワトソンに変わっています。でも、ホームズからは「ワトソンくん」呼びされている。萌える。

 女性ワトソンに違和感を覚える人がいるかもしれないが「シャーロック・ホームズとは別作品」と考えれば観ていられるし、慣れると結構面白いです。ホームズが天才だけど麻薬依存患者(リハビリ中)で、ワトソンがリハビリ患者の付添人って関係も面白い。

 あと、吹き替えが三木眞一郎&田中敦子なのが最高です。マイクロフト・ホームズは井上和彦ですしおすし……耳が幸せ

クライムサスペンス/犯罪捜査(2017年5月、作品追加)

クロッシング・ライン〜ヨーロッパ特別犯罪捜査チーム〜

 国籍も専門分野も違う──各国の精鋭がチームを組み、凶悪事件に挑む。ヨーロッパ全土で繰り広げられる捜査が、非常に見応えのある犯罪捜査ドラマです。

『クロッシング・ライン〜ヨーロッパ特別犯罪捜査チーム〜』に関しては、特に「ココが面白いぞ!!」って言えない。取り敢えず観てほしい。精鋭が集まっているだけあって、捜査官のスペックは高い犯罪のレベルも他作品より凶悪

 実は「おっ、他の作品や映画で見たことある俳優がいっぱい出てるぞ」ってミーハーな気持ちで観始めたんだけど、内容が思いの外よくてビックリした作品でもあります。濃ゆいクライムサスペンスが観たい人にオススメしたい作品です。

『CSI』シリーズ【完】*1

 元祖・長寿ドラマのひとつであり、熱烈なファンの多い海外ドラマのひとつでもある。科学捜査で事件の真相に迫るドラマ『CSI』シリーズ。

 科学捜査系のドラマを観るなら『CSI』シリーズを強く推したい

 元々サスペンスドラマが好きで、日本の科学捜査系ドラマなら『科捜研の女』とか好きだったんだけど……本シリーズを観てからは価値観が変わった。やっぱり、リアリティの高い作品はよい。他シリーズとのクロスオーバーがあるのも魅力的です。今や、日本のは生ぬるくて観られないのである。比べちゃいけないんだけどね。刺激が足りない。

CSI:科学捜査班

 『CSI』のオリジナルシリーズ。全てはここから始まった

 舞台がラスベガスなこともあってカジノ関係の事件も多く、他の作品に比べると煌びやかで夜の印象が強い感じ。NYなど他の『CSI』に比べ科学捜査に重点を置いており、古い捜査手法が最も活かされているシリーズです。(作品内の)初代主任で主人公ポジションのギル・グリッソム博士が昆虫学に富んでいたこともあって、虫を使った捜査方法もあり。

 他と違い、唯一主人公が変わるシリーズでもあります。第9〜11シーズン*2では映画『マトリックス』のモーフィアスでお馴染みの、ローレンス・フィッシュバーンが主演を務めてます。

CSI:マイアミ

 舞台をマイアミに移したスピンオフ作品。

 熱い。とにかく熱いし、暑い。科学捜査もするけれど、ふっつーにカーチェイスしたり爆弾がドーーーン!! ってなる。いつから『CSI』シリーズはアクションドラマになった……?

 オリジナルシリーズと違って捜査官が全員、銃を携帯しています。だから突然ドンパチ始めるよ! それから湿地帯で捜査してたらワニが出てきたり、人種問題にまつわる事件がよく多発する。作風自体がオリジナルとだいぶ異なるから、アクション系が好きな人は『CSI:マイアミ』が一番ハマるかもしれない。

CSI:NY

 舞台をニューヨークに移したスピンオフ作品。

 マイアミ同様、捜査官は全員銃を携帯している──が、必要以上にドンパチはしない。非常にクール。キーカラーが青色に設定されていることもあって、シリーズの中で最もクール&スマートな作品です。ネット犯罪やオタクな話題が絡むのも、本作が一番多い。

 科学捜査に使われる機材やシステムも最先端技術を取り入れてます。正直、技術や演出がずば抜けてカッコイイです。作中で「NYなんだから、どこよりも新しくて良いものも使わなきゃ!」的な発言をされるほどですしね。予算がなくて厳しそうだったけど。

CSI:サイバー

 サイバー犯罪に特化したスピンオフ作品。

 他シリーズと比べて、本作はすごく異質。まず、捜査範囲がサイバー(コンピューターネットワーク全体)だから“管轄”がない。事件が起こったらアメリカ国内どこにでも行っちゃう。あと科学捜査をしない──それどころか、CSIじゃなくてFBI所属になってる。しかし「じゃあ『CSI:サイバー』じゃなくて『FBI:サイバー』じゃん」ってツッコミはしてはいけない。

「事件は現実だけで起きてるんじゃない、サイバー内でも起きてるんだ!!」と強く主張してくる本作。見始めは違和感があるが、慣れてくると別作品に思えてきて普通に楽しめた。主演が『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』のパトリシア・アークエットなのも、作品に入りやすいポイントのひとつなんだろうなぁ……。

イレブンス・アワー FBI科学捜査ファイル【完】

『CSI』シリーズを手掛けたジェリー・ブラッカイマー氏が製作総指揮を務めた、英国ドラマ「イレブンス・アワー」のリメイク版

 生物化学者のジェイコブ・フッドと女性FBI捜査官レイチェル・ヤングが、完全にお転婆プリンセスとナイト的な感じに描かれてる作品。いくら“ただの化学者”だからといって、彼女に守られすぎである。まあ、レイチェルが生命的なピンチに陥ったらジェイコブが必死に助けるんですけどね。……萌える

「『CSI』と被りそうだな」というのが第一印象だったけど、蓋を開いてみたらクローン食品添加物、美容に使うプラセンタなど、現代の生活に潜む(または潜んでいそう)なネタが盛り込まれているのが面白かったです。どちらかというと『Re:Genesis/リ・ジェネシス』に似てるのかな?

コールドケース 迷宮事件簿【完】

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イントロダクション|コールドケース 迷宮事件簿|ドラマ|WOWOWより引用

 時効がないアメリカで、迷宮入りとなってしまった未解決事件──コールドケースを解決していく犯罪捜査ドラマ。

 “今”起こっている事件ではない、場合によっては人々から忘れ去られた事件を扱うせいなのか、観ていると高確率でウルッときます。現在と事件発生当時の時代をクロスさせて、より一層「あぁ、やっと解決できたんだなぁ」と感じさせる演出が憎い。心がキュッとなる。

 本作は往年の名曲も、数多く使っています。故に著作権の関係上*3DVD化されていません。テレビなどで放送されなければ観られないのが惜しい……!! だからこそ、巡り合ったら絶対観て欲しいドラマです。

クリミナル・マインド FBI行動分析課

 vsサイコパスな犯罪捜査ドラマ。

 ここまでは科学や生物学で捜査する“クライムサスペンス”を紹介してきたけど、本作は犯罪心理学にスポットを当てた作品。サイコパスを相手にしているので、犯罪のレベルが割とエゲツないです。時々子供も犠牲になる……つらい。

 捜査内容がエゲツない分、行動分析課《BAU》チームの人間的な感情──抱える闇や悩み含め──や家族的な暖かさにすごく救われる

 テクニカルな分野を得意とし、現場ではなくパソコンの前で頑張るペネロープ・ガルシアが「私たち《BAU》は家族じゃん!!!!」って叫んだ時は泣きそうになった。メンバーの雰囲気や役割が「家族みたいだな」って思ってたから、ブワッてきた

 犯罪心理・行動心理を題材にしたドラマは色々あるけれど「犯罪」×「人間性」×「個々のキャラクター」×「コミカル性」がバランスよく──そして高い完成度を保っているのは『クリミナル・マインド FBI行動分析課』だと思う。字幕版、吹き替え、どちらでも楽しめるので観てほしいドラマです。

クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル【完】

『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のスピンオフ作品。

 オリジナルに比べてアクションや狙撃など、プロファイリング以外の技術にも力を入れています。なので、BAUにはない“専用トレーニングルーム”での一コマもあり。唯一の欠点は結末の後味が悪いところだが、ストーリーは普通に面白いです。

 メンバー内の役割もオリジナルとは異なる部分が大きく、『レッドセル』は家族的要素が薄いかな。まあ、随分と早く終わってしまったから“描いていない”というより“描けなかった”が正しいのだろうけれど……。本家とのクロスオーバー回を楽しんだ後に観るのが一番よく楽しめるので、決してレッドセル単独では観ないでほしい

PERSON of INTEREST/パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット【完】

 “我々は見られている”──街中に設置された全ての監視カメラと繋がった《マシン》により、凶悪事件を未然に防ぐ話。

 “街中に設置された全ての監視カメラと繋がってる”って時点で怖い。でも、なんだか有り得そうな気がする。その点が『PERSON of INTEREST/パーソン・オブ・インタレスト』の魅力ではないかと。確かに、警備会社の従業員だけが見てるとは限らないんだよなぁ……なんて。

 上記1点だけが魅力ではない。《マシン》は凶悪事件に関わる被疑者・被害者、両方を検出してしまう──あくまで検出するだけで、その人が“どちら”なのか分からないところ。検出した人と接触するまで、被疑者か被害者かの判断がつかないところ。これらの決してチートではない部分が一番の魅力です。チートだったら絶対面白くないもの。

 また、シーズンが進むにつれて変化する人間関係や《マシン》の環境も必見。最初から最後まで、ハラハラするドラマでした。百合的表現もあって萌えましたしね。最高!!

NUMBERS 天才数学者の事件ファイル【完】

 FBI捜査官のドン・エプスと天才数学者のチャールズ・エプス、兄弟が力を合わせて事件を解決する話。

 どのストーリーも、事件発生→ドン率いるFBIが捜査→チャールズと仲間の数学者たちが数学的に解析、助言→解決の流れで進んでいく。若干単調かな……? って気がしなくもないが、各話に登場するゲーム理論や暗号解読、天文物理学、確率論などが方程式付きで解説されるので興味を引かれます。しかも「どゆこと?」状態の捜査官たちに噛み砕いて説明しているので、必然的に私たち(視聴者)にも優しい

 ドンパチあり、学術要素ありなドラマを楽しみたい人に『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』はピッタリだと思います。数字に弱い人でも楽しめるからオススメ。

Chicago P.D./シカゴP.D.←NEW!

「シカゴ」シリーズ第2弾。本記事後半に紹介する『シカゴ・ファイア』で逮捕、収監された悪徳警官ハンク・ボイドがまさかの主人公です。しかも特捜班のボス

「俺様がルールブック」を振りかざして街を守るボイド氏。チームのメンバーや、その身内が危険に晒されれば「情報を吐くのと利き手がミンチになるの、どっちがいい?」という究極の交渉もやってのけます。完全にヤバい奴の発言だけれど、それだけ人情味に溢れてると考えると胸熱です……! ボイドさんかっけー!

 他「シカゴ」シリーズのキャラクターも、もちろん登場します。「シカゴ」シリーズ好きだけでなく、ハードボイルド系の刑事ドラマ好きな人にもオススメしたい作品です。

SFサスペンス

FRING/フリンジ【完】

  製作陣のひとりにJ.J.エイブラムスが名を連ねている『FRING/フリンジ』。たぶん、好き嫌いがハッキリと別れるドラマです。

 正直申し上げると、最初は好きじゃなかった。現代版Xファイルかな? って感じで。『LOST』ブームが続いてた頃に1話を観て「あー、J.J.エイブラムスの作品は合わないかも」なんて思ったのでおじゃる(ちなみに『LOST』は両親含め全くお気に召さなかった)。

 でも、怪奇現象に隠された《パターン》が見えてくると一気に「これ面白いわ」と感じるから不思議である。現代版Xファイルなのは変わらない──それどころかパラレルワールドが出しゃばってきて、かなりぶっ飛んだ様相になってくるわけだが。ハマるとなかなか抜け出せない作品なのは間違いない。とりあえずシーズン1を観て、好き嫌いの判断をしてほしいドラマです。

Dark Angel/ダーク・エンジェル【完】

 遺伝子操作された子供が戦闘マシンだったり、ミュータントが出てきたりするSFアクションドラマ。ジェシカ・アルバが可愛い

 ジェシカ・アルバだけでなく、後に紹介する『NCIS〜ネイビー犯罪捜査班』のメインメンバー、マイケル・ウェザリーや『Supernatural/スーパーナチュラル』の主人公、ジェンセン・アクレスの若かりしき頃が観られる作品でもある。どこに注目してるんだって言われそうだけど「若え!!」ってなるから、絶対。

 第1話の脚本を『ターミネーター』や『タイタニック』、『アバター』でお馴染みのジェームズ・キャメロンが担当しています。あと、シーズン2最終話の脚本と監督も。ただ「9.11の影響による脚本の迷走」「視聴率の低迷」のWパンチで打ち切りになり、非常に後味の悪いラストになっている。「面白い!」って掲げながら言うのもアレだけど、シーズン1が一番楽しめた作品です。とにかくジェシカ・アルバ可愛い

SFホラー

HELIX -黒い遺伝子-【完】

 真田広之が出てる。以上。

 ゾンビ物とはちょっと違うけど、感染系SFホラーが好きな人は多分好き。

アクション

24 -TWENTY FOUR-【完】*4

「あなたが知っている海外ドラマを一つ答えよ」の質問で、真っ先に作品名を上げられそうな『24 -TWENTY FOUR-』。きっと観たことがある人も多いはず。

 観たことのない人のために簡単に説明すると、主人公ジャック・バウアー(CV:小山力也)とテロリストの戦いを描いた作品です。ジャックは愛国心が溢れているので、うっかり法律や規律を破ったり、とっつかまえた人を拷問してしまいます。大統領への口答えも得意。途中で「ジャック・バウアーって捜査官? テロリスト?」と迷子になることもしばしば。

 ひとシーズン24話──24時間なので作品のテンポが非常に早い。一難去ってまた一難、二転三転する展開から目が離せません。観るときは吹き替え版がオススメです。繰り返し観すぎると、小山力也の「クソォォォォォ!!!」が可笑しくなってくるのに注意。

リブ・アナザー・デイ【完】*5

『24 -TWENTY FOUR-』のミニドラマ作品で、シーズン9に当たる。

 舞台をアメリカからロンドンに移しただけで小山力也の「クソォォォォォ!!!」は健在。オリジナルメンバーも続々と出てくるから、観ているときの違和感も少ないです。「あー、シーズン9なのね」ってあっさり受け入れられる。

 また24時間(24話)続くのか……と思いきや、本作は半分の12時間で終わります。でも、ちゃんと24時間描いてる。「え? あれ? おしまい?」と摩訶不思議な気分になったのが何よりも印象的でした。あれ?

PRISON BREAK/プリズン・ブレイク【完】*6

『24 -TWENTY FOUR-』同様、「あなたが知っている海外ドラマを一つ答えよ」の質問で早々に作品名が出そうな作品。

 超簡単にいえば兄弟の脱獄話。話題だったときから思ってたけど、いくら兄ちゃんが無罪だからって自分も収監されて脱獄させるのは如何なものかと思う。気持ちは分かるけど。まあ、いくらIQが高くて完璧な計画でも、実際には上手くいかないもので。いつもどこか惜しいのが愛おしくなる作品です。

 ちなみに吹き替えには東地宏樹と若本規夫が出演しているのだが、2人の声はどこまでいっても東地宏樹だし若本規夫である

ファイナル・ブレイク【完】

『PRISON BREAK/プリズン・ブレイク』のラスト、空白になっていた4年間を描いたミニドラマ。主人公マイケルの恋人、サラを脱獄させる話。泣ける

レバレッジ〜詐欺師達の流儀【完】

 元保険調査員、ペテン師、泥棒、ハッカー、戦闘員がチームを組んで、いわゆる“悪い奴”に詐欺を働くドラマ。

 詐欺師が主人公だったり、“悪い奴”に「目には目を、歯には歯を」で仕掛けるドラマは珍しくないけど、私は『レバレッジ』が一番好きです。スリルとコメディがよい塩梅なのです。しかも、ちゃんと笑えるコメディだから楽しい。

 あと、個人的に泥棒ポジションのパーカー(ベス・リースグラフ)が好き。金髪ちゃん、可愛い

HOMELAND/ホームランド

 CIAの女性捜査官、キャリー・マティソンがテロリストと戦うスパイ・アクションドラマ。

 9.11以降、アメリカは対テロにものすごく力を入れている。本作は現実と同じく“アルカイダ”や“タリバン”との戦いを国内外で描いており、終始誰かにスパイ疑惑がかけられている。組織の陰謀や銃撃戦、爆破を含むテロ行為も当たり前。さすが『24 -TWENTY FOUR-』の製作陣が作っているだけあるなぁ……という内容です。

 ただ、シーズンが進むほどに「どうあがいても絶望」感が増していきます。特にキャリーがヤバい。あと『HOMELAND/ホームランド』のストーリーは完全アメリカ目線で展開されているので、観る人にとっては複雑な心境になるかもしれない。とりあえずハッピーエンドには縁遠い作品である。

THE BLACKLIST/ブラックリスト

 最重要指名手配犯レイモンド・レディントン(通称レッド)が持つ凶悪犯罪者の《リスト》──ブラックリストを元に、新人FBI捜査官エリザベス・キーンと仲間たちが凶悪犯をお縄にかけていく1話完結型のアクション・サスペンス。

 まず冒頭から始まる「何故、レッドが《リスト》を持ってFBIに来たのか」「どうして新人捜査官をご指名なのか」って心理戦からして面白い。別に罪を償うために来たわけじゃないんだけど「君たちがお縄にか掛けたがってる凶悪犯の《リスト》を持ってきたよ! 捜査に全面協力するけどエリザベス・キーンとしか話さないから、早く彼女を呼んできたまえ」って態度にFBI捜査官たちは「はぁ? マジ?」だし、エリザベスも「はぁ? なんで?」ってなる。そりゃそうだ。視聴者も「はぁ?(ワクワク)」である。

 当初はレッドと《リスト》を疑っていたエリザベスだけれど、彼と言葉を交わし、犯人を捕まえることで《リスト》の信憑性は高まっていく。でも、レッドの行動や真意に対する謎は深まっていく。そして謎はエリザベスの過去や両親、夫・トムに広がっていき……と、謎が謎を呼ぶ展開。

 全ストーリーを通じて描かれるレッドの計画が、1話完結型だけど全然飽きない良いスパイスになっています。

ニキータ*7【完】

 リュック・ベッソン監督の映画『Nikita』のリメイク作品。マギー・Q主演のアメリカ版『ニキータ(NIKITA)』より、私はカナダ版『ニキータ(La Femme Nikita)』を推す

 初めて『ニキータ』を観たのが小学校の高学年頃だったわけだが、衝撃的だった。その頃に馴染み深い海外ドラマといえば「Xファイル」や「フレンズ」だったから、アクションあり、スパイ要素あり、拷問シーンありな作品は刺激的だったのである。拷問シーンといってもR指定になるような表現じゃないからね、安心。

 秘密結社的な対テロ特殊部隊の一員として暗殺業に勤しみながら、組織に疑問を抱き始めるニキータ。少しずつ明らかになる謎や複雑化する人間関係、組織との対立など、巧妙に練られたストーリーはシリーズが終了した15年経った今でも十分楽しめる内容になっています。ニキータとニキータの上司・マイケルとの微妙な関係も見逃せない。焦らしプレイを受けている気分になる作品でもあったなぁ……。

『NCIS』シリーズ

 元は『犯罪捜査官ネイビーファイル』のスピンオフ作品なのだが、元の作品が2005年に放送終了となってしまったがために「スピンオフ感が薄い」ドラマシリーズ。もはや『NCIS』シリーズで独立してるといってもよい。

 本シリーズはアメリカ海軍や海兵隊員が関わる事件の捜査をする海軍犯罪捜査局──通称NCISNaval Criminal Investigative Service)の活躍を描く犯罪捜査ドラマである。

NCIS〜ネイビー犯罪捜査班

 舞台はワシントンD.C.本部。『0011ナポレオン・ソロ』の主人公、イリヤ・クリヤキンが検死官を務めている。

 本作ではイリヤ・クリヤキンをネタにして弄るほか、実際の映画や事件を組み込んでいるストーリーが多い。もっとも長く続いているシリーズなのでガッツリ観たい人にオススメなドラマです。各キャラクターの個性も輝いているから、きちんと息が抜ける部分もある。緊張しっぱなしで疲れる……! なんて事態にはなりません。

 本記事を書く途中で知ったことだが、実際のNCIS捜査官が制作に協力しているというから驚きです。すごい……その情報を知ってから観ると、より一層面白い。マーク・ハーモンはイケメンおじさんだし、前述した『Dark Angel/ダーク・エンジェル』のローガン・ケイルや『リゾーリ&アイルズ』のモーラ・アイルズが捜査官をしているのも、個人的にお気に入りなところ。

 ただ、DVDの日本語吹き替えがシーズン1・2とシーズン3以降で異なるのが、ちょっとだけ残念。井上和彦さんなのは耳が幸せなんだけどなぁ……うーん、悩ましい。

NCIS:LA〜極秘潜入捜査班

 舞台をロサンゼルスに移したスピンオフ……「『NCIS』シリーズで独立している」と記述した所以はここです。スピンオフのスピンオフってなに。

『NCIS:LA〜極秘潜入捜査班』はタイトル通り潜入捜査が主といいますか、他の『NCIS』スピンオフ作品に比べて頻繁に描かれています。ボス的な立ち位置にいる管理部長“ヘティ”が持つ、潜入用スパイアイテムの数々は必見。

 また、登場人物に関する謎が多いのも本作。特に主人公ポジションのグリーシャ・“G”・カレンは、出生や本名がハッキリしないという謎っ子っぷりである。全シーズンを通して彼に関する謎を紐解くのも、他とは異なる部分です。

NCIS:ニューオリンズ

『NCIS』シリーズの最新スピンオフ作品。

 ニューオリンズが舞台なだけあって事件以外のシーンが非常に明るい。ハロウィンの前に行われる音楽フェス「ヴードゥー・エクスピリエンス」や、観光名所「フレンチ・クオーター」もしっかり登場している。非常にスピンオフらしいスピンオフ作品といえるのではなかろうか。

『NCIS:ニューオリンズ』はまだ始まったばかりの作品なので、今後の展開に期待したいところ。というか、既にシーズン2序盤から波乱を匂わせる展開になっていて目が離せません。

クワンティコ FBIアカデミーの真実

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 バージニア州クアンティコに実在しているFBIアカデミーを舞台に、主人公アレックス・パリッシュとテロリストの戦いを描いたクライム・アクション&サスペンス。

 本作は目を離すと迷子になります。何故なら第1話冒頭に発生した爆破テロは、なにやらFBIアカデミー時代から仕組まれていたもので? アカデミー時代の仲間も信用できないっぽくて? 誰を信用していいかよく分からん……しかもペースは早いし、伏線も小出しにしてくるから気を抜くと置いていかれます全話一気に観たほうが良いドラマ、これ絶対。

 本記事を書くために軽く検索をかけたら、どうやら『クワンティコ FBIアカデミーの真実』は、2005年に出版された小説をドラマ化したものらしい。原作読んでから観ると、上手く理解できるのかな……? 何はともあれ“FBIアカデミー内部や訓練内容に触れられる”ってだけでも他とは異なるので、好きな人は好きだと思う。

DCコミック系

ARROW/アロー

 DCコミックス『グリーンアロー』をモチーフに制作された『ARROW/アロー』。

 全力で謝らなければいけないのだが、私が好きなのは日野聡である。正直、マーベル・コミック含めアメコミ関連の作品に興味はない。むしろ苦手。

 それでも、ストーリーはふっつーに面白かった。現代で弓かよ……感は否めなかったけど、特殊な能力を持ってて云々って要素は少なめだったので良し! といったところですね。

GOTHAM/ゴッサム

 映画『ダーク・ナイト』の舞台ゴッサム・シティを舞台に、バットマンが爆誕する前の世界を描くクライム・アクションドラマ。

 全力で(略)、私が好きなのは小野大輔である。でも『GOTHAM/ゴッサム』は、ふっつーに面白かったどころか、めちゃくちゃハマった

『ARROW/アロー』と大きく異なるところは、バットマンが出てこない──それどころか、文字通りの坊ちゃんな点です。もう全然、弱い。悪に立ち向かわないし、立ち向かおうとすると執事に「お辞めください坊ちゃん!」と止められる。「止めるな、アルフレッド!」って言っても止められるから、シーズンの途中で反抗期になる。これだけでも私的には面白い。

 バットマンが反抗期中の坊ちゃんなので本作の主人公は、映画ではゴッサム・シティ警察の本部長だったジェームズ・ゴードンです。バットマンの敵キャラクターも登場するけど、基本的にはゴードン刑事vs犯罪者&マフィアなストーリーだから、犯罪ドラマとして観始められます。もちろん『ダーク・ナイト』や『バットマン』を知ってる人も楽しめること間違いなし。

 余談だけど『GOTHAM/ゴッサム』の後に『おそ松さん』を観てはいけません。「ハッスルハッスル〜! マッスルマッスル〜!」とか聞かないほうがいい、声優の凄さが分かるけど。オススメはしない。

医療系(2017年5月、作品追加)

ER 緊急救命室【完】

 医療ドラマの最高傑作。24時間眠らない救急救命室(Emergency Room)を描いた作品。

 個人的に『ER 緊急救命室』を気に入っている理由は、物語のリアリティやスピード感もさることながら、ERに関わる全ての人を描いているところです。

 医療ドラマといえば医師と看護師、患者がメインになりがちだ。内容によっては患者の家族も出てくるけれど、その家族の内情や社会情勢を脚本に組み込むことは少ない。さらにエンターテインメント性を追い求めると、途中からドロッドロのドロな恋愛要素主人公vs院長の突然の権力争いが勃発する。この点は日本の医療ドラマでも、ほぼ同じことが言えると思う。

 もちろん本作も恋愛要素はあります。医師たちが抱える複雑な思いや、問題も描かれています。でも、“ERをテーマにした作品”という軸はブレない。加えて事務員や清掃員といった、医療を行わない“縁の下の力持ち”もきちんと登場しているところが作品のリアリティさを一層高めています。元医療事務員としては「医療の現場は、医師と看護師だけで成り立っているわけじゃない」と本作が証明してくれているようで、ちょっと嬉しい部分だったり。

 それに初期の頃は、ジョージ・クルーニーがいます。ジョージ・クルーニー目当てで観てもよし、医療ドラマにガッツリ浸りたい人にもよしな『ER 緊急救命室』。ラストもすとんと納得できる終わりかたなので、最初から最後まで安定して楽しめる作品です。

ナイトシフト 真夜中の救命医←NEW!

 夜間に活躍する医師や看護師たちの姿を描いたメディカルドラマ。一言で表せば夜版ERです。

 ドラマの舞台が“基地の街”と呼ばれるテキサス州サンアントニオなだけあって、元軍医が大活躍しています。故に緊急時には通常ではあり得ない、戦場での処置方法が登場するのも本作品の魅力。

 魅力的かつコミカルなキャラクターに笑わされつつ、毎話ごとに胸打たれ、時に涙する──医療ドラマ好きに限らず「胸にグッとくるドラマが観たい!」人にもオススメしたい作品です。

Chicago Med/シカゴ・メッド←NEW!

「シカゴ」シリーズ第3弾。シカゴ医療センターの救急外来を舞台に、人間模様や葛藤を描いています。

『ER 緊急救命室』が好きな人は「ERと同じシカゴか……」と、思うかもしれません。実際、私は「同じか……」と思った。さらに言えば『ER 緊急救命室』と、どう違うのかしらんとも考えた。

 比べてみたら『ER 緊急救命室』とは似て非なる作品でした。どちらもメディカルドラマでありながらヒューマンドラマ色が強いけど、やっぱり『Chicago Med/シカゴ・メッド』のほうが色んな意味で新しいですね。

 本作を観るなら他「シカゴ」シリーズを楽しんでから観たほうが、いっそう楽しめます。本国アメリカでも始まったばかり*8なので、今後の展開にも期待したい。

ホラー・サスペンス

Supernatural/スーパーナチュラル

 ウィンチェスター兄弟が悪霊や魔物とドンパチするアクション・ホラー・サスペンスドラマ。

 シーズン開始序盤は、塩の弾丸だの聖水だのといったベッタベタのベタなお祓いグッズで戦っていました。その後、悪魔と天使が全面的にしゃしゃり出てくることで、ゴーストバスターズ感がものすごく薄まる。身近な悪霊に対処してた頃が懐かしい……! としみじみ感じるほど壮大な物語になっています。ホラー全般、オカルト系が好みの人は確実にハマるはず。

 ホラーといえば、本作シーズン1・2の吹き替えもホラーな出来栄えになっています。余りの恐ろしさに大炎上した経緯あり。気になる人は「スーパーナチュラル 吹き替え」でググってみよう。

GRIMM/グリム

グリム童話」の世界──実は本当にあった話であり、グリム兄弟が魔物を対峙した記録でもあった。

 グリム兄弟の末裔である主人公・ニックが《グリム》として、そして“刑事”として悪と対峙するホラー・サスペンス・ファンタジー。「本当は怖いグリム童話」系のダーク・ファンタジー大好きー! な私は、ドンピシャでハマりました。たまらん。

 本作に登場する魔物《ヴェッセン》や各ストーリーは、グリム童話や伝承、都市伝説をモチーフにして設定・構成されています。なので「あ、これ絶対あの童話だ」ってピンとくるところが多々あり。もちろん童話を知らなくても楽しめるし、犯罪捜査ドラマの要素もしっかり組み込まれているから「ホラーやファンタジーに馴染みがないな」って人でも楽しめるのでは。

 ちなみに、シーズン序盤は低評価だけど『GRIMM/グリム』の本番はシーズン後半にあります。最初はプロローグだと思ってください。
 

感想海外ドラマ『GRIMM/グリム』がジワジワ引き込まれるから布教したい

リーガル(法律・法廷)

Suits/スーツ

 一匹狼で高慢な敏腕弁護士ハーヴィー・スペクターと、天才的な記憶力を持つ訳あり青年マイク・ロスを中心に描く、異色のリーガル・ドラマ。

 各キャラクターの大まかな設定は、珍しくないといえば珍しくないのかなぁ……天才的な記憶力も別に突飛じゃないし。──と感じるけれど、『Suits/スーツ』の異色さはマイク・ロスにある。

 なぜなら、マイクは弁護士でもアソシエイトでもない──ロースクールに入学さえしていないからです。学歴を詐称して弁護士になる(しかも詐欺じゃなく、真っ当に)ドラマは、本作が初めてです。

 刑法よりも民事や企業法務を取り扱うストーリーが多いので、裁判所で「異議ありィ!!」と叫ぶシーンはほとんどない。寧ろスタイリッシュに着こなされたスーツや、各々の恋愛模様に目がいってしまう……。リーガルドラマとしてはライトな仕上がりとなっているから、カッチカチのお堅い法律ドラマは苦手! な人にオススメの作品です。

殺人を無罪にする方法

 タイトルそのまま。敏腕弁護士アナリーズ・キーティングと、彼女から「殺人を無罪にする方法」を教わる優秀な学生5人が、ありとあらゆる手を使って依頼人の無罪を勝ち取っていくドラマ。

「限りなく黒でも無罪にする」過程や裁判風景も見ものですが、何よりも面白いのは学生たちが何らかの事件に巻き込まれている(しかも限りなく黒に近いところで)部分です。しかも過去と現在をフラッシュバックさせながら、少しずつ真相を明るみにしていく演出が施されているので観ていてドキドキします。

 本作もお堅い法律ドラマというより、サスペンス要素が強めな作風となっている。エンターテインメントとして楽しみたい! という人には、ちょうど良いリーガルドラマなのでは。

感想人間不信になるドラマ『殺人を無罪にする方法』が色々と衝撃的だった

『LOW&ORDER』シリーズ

 カッチカチのゴリッゴリなリーガル・サスペンス

 基本的に前半は警察、後半は検察。双方の活躍を描いているから、1話の内容がとても濃いです。しかも脚本は実際の事件に基づいていて、ドラマというよりドキュメンタリーちっくに撮影されているから、めちゃくちゃリアルに感じる

 アメリカの社会・法制度が如何なるものか。そして日本ではまだ身近とは言い難い「裁判員裁判」がどのようなものか。ストーリー以外にも注目するべきところがたくさんある作品です。

LOW&ORDER【完】

“In the criminal justice system, the people are represented by two separate, yet equally important groups: the police, who investigate crime, and the district attorneys, who prosecute the offenders. These are their stories.”
「刑事法体系には等しく重要な二つの独立した組織がある。犯罪を捜査する警察、そして容疑者を起訴する検察。これは彼らの物語だ。」
–スティーヴン・ザーンキルトン(日本語吹替:牛山茂)によるオープニングナレーション
Wikipedia「ロー&オーダー」より引用

 ニューヨークを舞台に、刑事事件を中心に捜査するニューヨーク市警とニューヨーク検察の活躍を描いていている。

 シーズン20まで続いた本作は、キャストの入れ替わりが激しいだけでなく他ドラマのメインキャストの若かりしき頃が観られるのもちょっとした魅力。若手の登竜門か? と思うぐらい「あっ、この人あのドラマで観た!」って人がゲスト出演しているから、最も古いシーズン1(1990年)から観ても面白い。

 もちろん前述通り、ドラマのクオリティも高い。観ているうちに引き込まれ、感情移入してしまう回がたくさんあるから流し観なんてせず、じっくり物語を噛み締めてほしい

LOW&ORDER:クリミナル・インテント【完】

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スーパー!ドラマTV 海外ドラマ:LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班より引用

 凶悪犯と心理戦で戦う“重要事件捜査班”の活躍を描いたスピンオフ作品。

 部類としては『クリミナル・マインド FBI行動分析課』に近い。マンハッタンの富裕層や権力者も含め、事件に関係する人々の深層心理に深く入り込んで虚栄心やエゴを突っつく。そして相手をプロファイリングした上で、証言や自供を引き出す模様がよく描かれています。

 特に主人公のロバート・ゴーレンは“変わり者”と揶揄されながらも非常に優秀。そして曲者。シリーズの中ではサスペンス・ミステリー要素の強いドラマです。

LOW&ORDER:陪審評決【完】

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スーパー!ドラマTV 海外ドラマ:LAW & ORDER: 陪審評決より引用

 タイトル通り、陪審評決──陪審員制度にスポットを当てて描いたスピンオフ作品。

 オリジナルシリーズである『LOW&ORDER』は前半と後半、50:50で警察と検察の活躍が描かれていますが、本作は検察──裁判シーンが中心となっています。最もリーガルドラマらしいシーズンと言えるかな。検察と弁護士の戦略や、バトルが観ていて面白い。

 また「裁判員裁判」や制度に関しても、本作が一番よく描かれています。どちらかというと男性の姿が目立つ『LOW&ORDER』シリーズ だが、本作は2人の女性が検察側のメインキャストとして活躍しているのも特徴的です。

LOW&ORDER:性犯罪特捜班

『LOW&ORDER』で唯一、現在進行形でストーリーが進んでいるスピンオフ作品『LOW&ORDER:性犯罪特捜班』。ニューヨーク市警で性犯罪、憎悪犯罪などを専門に捜査する“性犯罪特捜班”の活躍を描いている。

『LOW&ORDER:陪審評決』同様、本作は2人の女性刑事が中心となっている。タイトルから分かるように性犯罪──レイプや性的虐待、児童ポルノといった、日本でも深刻化しつつある題材を扱っているだけあって、観ていると決して他人事ではない、深刻な気分にさせられます。

 また、人種差別や同性愛に関する憎悪犯罪も「ドラマのネタ」としては非常にリアル。アメリカのみならず、現代社会の問題を取り上げている作品といっても良いのではないでしょうか。

LOW&ORDER:LA【完】

 物語の構成は『LOW&ORDER』と同じだが、舞台がロサンゼルスなのでキラッキラしている。セレブ率もやたら高い。

LOW&ORDER:UK【完】

 舞台をイギリス、ロンドンに移したスピンオフ作品。

『LOW&ORDER』ベースに作っているから、オリジナルを観ている人は「あれ、これなんか観たことある」とデジャヴを感じるかもしれない。でも、アメリカとは異なる司法制度や裁判風景で進行するので、全く別作品に観える不思議。英国ドラマ独特の雰囲気や、ロンドンの街並みも本家では伺えない魅力のひとつです。

MAJOR CRIMES〜重大犯罪課

 警察と検察が手を組んで、犯人と司法取引を成立させるドラマ。

 これまで紹介してきたリーガルドラマは(『Suits/スーツ 』を除いて)証拠を集めて裁判所で「異議ありィ!!」と戦う作風でございました。がしかし『MAJOR CRIMES〜重大犯罪課』では証拠こそ集めても、声高らかに「異議ありィ!!」と叫んだりはしません。むしろ迅速に、効率良く解決するために司法取引を活用している。

 ストーリーの面白さもさることながら、一癖も二癖もあるキャラクターたちがいい味を出しています。というか本作は元々、尋問で容疑者から自白を引き出す刑事ドラマ『The Closer/クローザー』のスピンオフ作品。ボス以外の『The Closer/クローザー』メンバーが、そのまま本作でも活躍しているからキャラがめちゃくちゃ立っているのです。

『The Closer/クローザー』も面白かったけど、私は『MAJOR CRIMES〜重大犯罪課』が好み。冷静沈着で切れ者の女ボス、シャロン・レイダー警部がカッコイイのでおじゃる。好き。

政治

ハウス・オブ・カード 野望の階段

 Netflixの初オリジナル作品。復讐を誓った主人公、フランシス・アンダーウッドが「何でもござれ」な手法を用いて、ホワイトハウス入りを目指す政治ドラマ。

 本作も『クロッシング・ライン〜ヨーロッパ特別犯罪捜査チーム〜』同様「ここが面白い!」って言い切れないドラマ。取り敢えず見て欲しい。正直、上記の一文を書くのも苦労した。数行でまとめるとか無理ィ……!!それぐらい内容が濃ゆいです。

 政治系のドラマも色々あるが、私の中では『ハウス・オブ・カード』が一番面白い。男女問わず楽しめる作品だと思います。

コメディー

ビッグバン・セオリー ギークなボクらの恋愛法則

 科学とアメコミ&ゲームオタク男子4人と個性派女子3人のラブコメドラマ。

 オタク(非イケメン)と変わった女の子のラブコメって、そんなに珍しくないというか「まあ、ありそうだよね」と感じてしまうのだけれど。本作は(一人を除いて)全員高学歴。博士号や修士号を持ってたり、大学で研究に勤しんでいます。だから会話が無駄に理論的だったり、頭の良さが出ちゃってるんですよね。特に男子

 でもみんな、どこかしら残念要素があるのが面白い。男子はオタクに加えて極度の潔癖症な皮肉屋だったり、マザコンだったり、重度のコミュ症だったりする。女子も負けず劣らずの残念……否、個性っぷりだから笑えます。

 特にシーズン前半は、ラブコメ要素と同じぐらい「オタクの友情」が描かれてるから楽しいです。モテないことへのブラックユーモアもたっぷり。日本のコメディーでは有り得ない、著名人の弄りネタも(理解できれば)お腹を抱えて笑えます

ヒューマンドラマ

Chicago Fire/シカゴ・ファイア

 シカゴ51分署に勤める消防士、救急隊員の命をかけた任務と苦悩を描いたヒューマンドラマ。

 1991年に公開された映画『Backdraft/バックドラフト』をご存知のかたは、どれだけいるだろうか。私(27歳)より年上の人は「知ってる!」「観たことある!」って人が多いだろうなぁ、たぶん。

『Backdraft/バックドラフト』を観たことがある人は「限りなく似て、非なるもの」、観たことない人は「消防士と救急隊員の超リアルドラマ」と思っていただいて良いと思います。それぐらい、レスキューシーンが迫力満点。めちゃくちゃスリリングだし、画面に釘付けになってしまいます

 もちろんスリル満点なレスキューだけでなく、消防士と救急隊員の日常や各々が抱える苦悩喜び悲しみもたくさん描かれている。まさに、ドラマらしいドラマと言えるのではなかろうか。

『Chicago Fire/シカゴ・ファイア』は『シカゴ』シリーズとして、スピンオフも続々作成されています。日本ではまだ本作のシーズン2までかな? とにかく、胸にグッとくる人間ドラマを求めている人は、ぜひ1度観て欲しい作品です。

映画→ドラマ化

TAXI ブルックリン【完】

 まさかの“原作が映画”なドラマ。

 リュック・ベッソン監督の映画『TAXi』を連続ドラマ化した作品なんだけど、まあ色々衝撃的でした。面白かったといえば、面白かったかな……? というか、タフな女刑事と海千山千なタクシー運転手って組み合わせが好きだった。

 映画と同じ迫力やアクションは残念ながら皆無。だけど、ドラマとしては良かったです。あと「えぇぇぇぇ!!!」となる、ある意味衝撃的なラストが待っているので、気になる人は観て欲しい作品。

LIMITLESS/リミットレス【完】

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スーパー!ドラマTV 海外ドラマ:リミットレスより引用

 最初に言っておく、私は浪川大輔が好きだ。だから『LIMITLESS/リミットレス』も吹替え目的で観ています。ごめんなさい!!

 あ、でもストーリーも面白いです。“原作が映画”なドラマ──もっと正確にいうと“小説を映画化した作品のドラマ版”なんだけど、時間軸としては映画より先の話になっています。なので映画に引き続きブラッドリー・クーパーがエディ・モーラ役で登場。完全に同名映画のスピンオフ作品の立ち位置に君臨いています。

 簡単に『LIMITLESS/リミットレス』を説明すると、売れないミュージシャンでフリーターなブライアン・フィンチ(CV:浪川大輔)が、秘薬“NZT-48”を飲んで脳を100%活性化。エディ・モーラとその仲間たちに監視されながら、FBIの捜査に協力する犯罪捜査ドラマです。

Hannibal/ハンニバル【完】

 小説『ハンニバル』シリーズの第1作であり、同名映画『Red Dragon/レッド・ドラゴン』をドマラ化したサイコ・サスペンス。

 正直申し上げると、グロいです。グロ注意。もしかしたら「これは苦手だわ」っていう人がいるかもしれない。映画『ハンニバル・レクター』博士シリーズに耐性がない人は、視聴するか否かを慎重に決めて欲しい作品です。

 耐性がある、グロ平気! というかたには観て欲しい。実は「映画は面白かったけど、これは大したことないんでしょ?」って思ってたんですよ、私。観始めたときも、ほんの軽い気持ち──暇つぶし程度の感覚で観ていた。ところがどっこい、小説や映画に負けず劣らず面白いそしてグロい

 まさに好き嫌いせず観て欲しい。SAN値がガリッと削られるけど「これ、つまんない」とはならないはず。あと、吹替えは浪川大輔&井上和彦&藤原啓治で耳が幸せになれます。

まとめ

 長い。

 いやあ、お疲れ様でございました。すべて読んでくださったかたは、果たしてどれぐらいいるんだろうか……。自分で書いておきながら、すんごい長かったですね。お疲れ様です! 本当に!!

 実はまだまだ、書きたいドラマはいろいろあります。しかし、タイトルが思い出せない喉元まで出かかっているのに……!

 なので思い出し次第、そして「面白い! 勧めたい!」と思う作品に新しく出会ったら、この記事内で紹介していきたいと思います。

 一応、誤字脱字などの推敲はしていますが、変なところがあったらゴメンナサイ。あと「おい! 感想でも紹介文でもねぇよ!」って部分も。ツッコミは随時受け付けているので、じゃんじゃん突っ込んでください。

*1:日本ではまだ放送されていないエピソード、DVD化されていないシーズンもある。しかし、アメリカでは2016年3月に全シリーズの放送が終了しているので【完】表示をしています。

*2:第9シーズン11話〜第11シーズン最終話まで

*3:無断使用とかではありません。使用料が大きく影響しているようです。

*4:物語としては続いているが『24シーズン◯』表記での新作は発表されていないので【完】表示しています。

*5:『リブ・アナザー・デイ』としては終わりを迎えているので【完】表示しています。

*6:2017年より新作が公開される予定だが正式な作品名は不明であり、一応“ファイナルシーズン”を迎えているので【完】表示しています。

*7:スーパードラマTVでアメリカ版が放送される際にカナダ版を『ニキータ1997』と名称変更しているが、本記事では変更前の『ニキータ』で記述している。

*8:2017年5月30日時点でシーズン2まで