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『ブログ飯』を改めて読んで、実際に「刺さった!」と思った部分をまとめてみた

 珍しく本日2回目の更新。今この頃に、この本の感想文を書くのはちょっと躊躇われるものがある。

 なぜ躊躇われるのかというと、もう、察していただきたい

 今日日、有料サロンに限らずネット上には「◯ヶ月で10万稼ぐ方法」という記事が溢れかえっています。つい先日には某☆氏が有料noteをオワコンに昇華させたと言っても過言ではないほど濃厚な記事を公開されました。

 そうでなくても『ブログ飯』は数多くのブロガーに読まれている。「ブログを始めるなら読むべき本100選」というまとめ記事があったら、絶対に上位に入っている。表紙を見ただけで「おまえ……また『ブログ飯』かよ……」と思う人がいるかもしれない、それぐらい有名な本です。読者さんの中に「また……」と感じている人がいたら本当に申し訳ない。

 というか、ぶっちゃけ書いたしね。前にも。
kimamalist.hatenablog.jp
 余談ですが「ブログ飯 本」でググると、検索1ページ目の結構いい位置に居るんですよ。この記事。自分で検索してビックリしました。

 では、なぜ改めて『ブログ飯』の感想文を書くのか。理由は「たわしの帖」のメインカテゴリーに書評を掲げているからが半分、何度読んでも『ブログ飯』は心に刺さるものがあるからが半分です。

 何番煎じか分からない感想文でも、やっぱり書いておきたい。ブログ歴11ヶ月目*1の私が『ブログ飯』を改めて読んで、実際に「刺さった!」と思った部分の感想をまとめてみました。

私は、本書を執筆するに際して、実践していれば、必ずその時期に刺さるような内容を織り交ぜたつもりです。
染谷昌利『ブログ飯』(P.12)より引用

『ブログ飯』とは

 改めて『ブログ飯』をざっくり紹介いたしますと、プロブロガー・染谷昌利氏によるハウツー本のようなものです。

テクニックありきではない人気ブログの作り方を解説したSNS時代の新しい生き方本。
自分の好きなこと(個性)をネットで収入に変える方法を、根本となる考え方や具体的な収益方法を交えて解説しています。著者は人気ブログ「Xperia非公式マニュアル」を運営し、Google AdSenseの成功事例としても取り上げられたプロブロガー。ネットで集客して収益に結びつけるまでの道のりを体系的に学べる一冊です。
Amazon『ブログ飯』商品の説明「内容紹介」より引用

 ハウツー本と言っても「即PV大爆発!」「明日には◯万円稼げる!」というような内容が書かれているわけではありません。長期的にブログとどう向き合っていくかどういう姿勢で運営を続けて『ブログ飯』に繋げていくかを説いています。

 実際に染谷氏の体験に基づいて書かれているので、読みやすい上に勉強になる。何度読んでも飽きない一冊です。

PV数や収益は二の次!先ずは好きなことを書いてブログを楽しむ

 実際に感想を書き殴っていきましょう。

 まず刺さったのは

アクセスアップや収益の話は二の次で、最初は、自分の好きなことを書いてみて、読者と交流しながらブログ運営の楽しさを感じてください。
染谷昌利『ブログ飯』(P.56)より引用

です。
 11ヶ月もブログ運営しててそこ!? と思われるかもしれません。がしかし、PV数や収益を二の次にして好きなことを書く、ブログを楽しむというのはなかなかに難しいものです。

 なぜなら、PV数や収益って気になっちゃうから。

 特にPV数というのはブログをやっていると気になって仕方ないものです。やっぱり「記事を見て欲しい! 読んで欲しい!」って思いますもの。
 そして暫く運営を続けてGoogleアドセンスの申請に通った日には、広告を貼り付けて収益を得たくなる。収益を得るにはPV数を増やすのが手っ取り早い。PV数が爆発する記事は何なのか……何がウケるんだ……何を書いたらホッテントリになったりバズったりするんだ……そんなことを考え始めます。

 バズるネタを掴むコツを知ってて書き出すのも楽しい! という人は良いんです。でも、そうじゃない場合──何をどうしてどう書いたら良いかサッパリ分からんという手探り状態の人は、バズるとかPVとか余計なことを考えすぎてブログの楽しさが半減してしまうのです。かく言う私がそうでした。

 だから「アクセスアップや収益を二の次にして、好きなことを書く」「読者と交流しながら楽しく運営する」という基本中の基本は、私の胸に深く刺さりましたね。

PV数を見ない、数字を気にしない

 『ブログ飯』で染谷氏は「最初の1ヶ月間はPV数を見ない」ことを勧めています。

 これはかなり有効で、PV数を見なければ自然と気にならなくなります。だって、自分のブログにどれぐらいの人が来てるか分かんないんだもの。見てないから。「あぁ、◯PVしかない」って反応する必要がないのです。
 実際、私は本ブログのアクセス数をまだ1度も確認していません。今月1000PV超えたらしいよって事だけ、通知が来たから知っている状態です。

 それから、収益数を気にしないためにGoogleアドセンスも貼り付けていません。アドセンスに関しては『ブログ飯』とは違う影響を受けて、貼り付けていないという理由もあるんですけど。これも「アドセンスを貼ってない→収益化されない→気にしなくて良い」という短絡的思考の結果です。短絡的だけどすごく有効。その証拠に、結構のびのびと楽しく書けています。

酒、タバコ、TVを止める

 これも刺さりました。といっても、元々タバコは吸っていないので、止めるべきはお酒とTVだけなんですけど。

 しかし「止める」と言っても「厳禁」ではありません。人との付き合いでお酒を飲むのは構わないと、染谷氏は記しています。また、情報を得るためのTVも良いと。ただ「ダラダラと飲む」「意味もなく見る」のがいけないという事なのです。

浪費をしない

 「ダラダラ飲む」「意味もなく見る」というのは、つまり“浪費”です。

 きっとお酒も、ブログの記事にするためなら飲んでも良いのでしょう。例えば「ソムリエブログ」を運営しているのにワインを一滴も飲まず、「このワインは格別美味しいゾ!」といった紹介記事を書くのは可笑しな話です。ワインについての記事を書くなら、自分の舌で確かめてから味や風味の感想を交えて紹介するべきです。
 ゲームだって、実際にプレイしてみなければ攻略法は書けません。テレビドラマも視聴しなければ、薄っぺらいレビュー記事になってしまいます。

 使える時間は限られているのだから“浪費”ではなく“生産”の為に無駄なものは排除するべき、という風に私は捉えました。


 だから二日酔いなんて以ての外です。

他人と差を広げて“自分らしさ”を出す

 “自分らしさ”を出すのも、なかなかに難しいものです。

 私はこの11ヶ月間、随分「自分らしさとは何か」を考えてきました。難しくないですか? ブログで“自分らしさ”を表現するって。
 たまに誰かのブログ論を読んでいると「キャラクター性を出すと良い」なんて一文が出てきたりしますが、そう簡単に自分をキャラクターを主張できたら世話ないです。はてなブログに限らず、世の中には超個性的なブロガーが数多く──名前を挙げだしたらキリがないほど多く存在します。そんな人たちと肩を並べるなんて、無理無理! ……と、思っていました。

 そう、思っていたのです。

“自分らしさ”を出す=“キャラクター性”を出すではないんじゃないか説

 最近考えるのは「別にキャラクター性なんてなくても良いんじゃないのかしらん」ということ。いや、キャラクターがある方が良いんですよ。突き抜けた他の追随を許さない個性があれば、それだけで最大の武器になります。でも、ないものはない
 そこで刺さったのが、この二文でした。

キャラを立てるのも大切ですが、まずは訪問してくれた読者に対し、なにか一つでも「このブログおもしろいな」と思ってもらえるような内容を増やしていきましょう。
染谷昌利『ブログ飯』(P.67)より引用

個人の嗜好は人それぞれですから、何を「面白い」と感じるかも人によって変わってきますが、どこかで読んだことのある内容、表面的で薄っぺらい内容ばかりのブログでは訪問者はすぐに去っていってしまいます。
染谷昌利『ブログ飯』(P.102〜P.103)より引用

 別に、超個性的なブログを最初からやる必要はないんですよね。それが出来るのは「このブログを始めたのは1ヶ月前だけど、ブログ歴自体は年単位」という玄人や「天才肌を持った非凡人」だけと割り切るべきです、我々のような凡人は。初っ端から個性丸出しにしなくて良いんです。むしろ無個性こそが個性といっても良い。

 個性よりも気にするべきなのは良質な記事が書けるか否か
 少し前に話題になった「ブログは『質より量』か『量より質』か」に繋がるかもですが、どんなに自分が楽しくても、誰かに「面白い!」って思って貰えなければ価値がありません。「役に立つ記事」を書いたつもりでも、誰かのブログで読んだ内容や「こいつ実は◯◯のこと何にも分かってねぇな」と付け焼き刃なのが透けて見える記事では意味がありません。どこかのキュレーションサイトと変わりない文章も論外な気がします。

 だから「個性的なキャラクターを前面に出すぞ!」だとか「このネタは某A氏や某Y氏みたいだから絶対ウケるぞ!」なんていうのは、凡人は考えなくて良いのだと『ブログ飯』を読んで改めて感じました。その方向性は玄人と天才と、その人に憧れる誰かに任せれば宜しいのです。

他人の真似は“劣化コピー”であり無価値

 それでも偶に「やっぱこのブロガーさんスゲェよなぁ」って感じる瞬間は必ずあるものです。「スゲェ」って感じる瞬間はなんでも良い──ネタが秀逸でスゲェとか、文章が巧みでスゲェとか、行動力がハンパねぇとか、PV数と収益数がとんでもなくヤバいとか。自分よりも遥か上を行っているから、その人に憧れて目指したり「自分もこうすればイケるんじゃ…!?」と思ったりするものです。私もそういう時はあります。

 だからと言って他人(人気ブロガー)の真似ばかりは良くないのです。憧れから始めて技を盗んだとしても、真似ばかりでは“劣化コピー”と同義。どこかで「憧れるのはもう…やめる*2」と宣言して、その人を超えるよう何かを見つけるべきなのです。

成功者の真似だけしても成功しない
染谷昌利『ブログ飯』(P.226)大見出しより引用

誰かの真似は劣化コピーと同じ
染谷昌利『ブログ飯』(P.226)中見出しより引用

自分が感じたことや感想を入れる習慣化

感想=自分だけのブログになる可能性

 無個性でもブログに“自分らしさ”を織り込むことは出来ます。その方法は、自分の感想を文中に入れるのです。
 染谷氏も『ブログ飯』内で、必ず文末に自分の感想を入れるように習慣化せよ(P.103)と記しています。感想を入れることを続けるだけで、自然と文章が書けるようになるし、よく使っているフレーズを発見して決め台詞にすることも可能だと。

 私は『ブログ飯』を読みながら「感想を必ず入れることは、それだけで『自分らしいブログ』にも繋がるんじゃないかしらん」と考えました。

 本当に自分で経験して、誰かに伝えたい! と思って書けば自分の感想が入るものです。人の考えは十人十色なのだから、感想だって自分と他人では僅かに違いがあると思います。当たり前のことだけれど「感じたことや感想を文末に入れる」ことは、意識してやるべきだなと再認識しました。

文章だけがブログじゃない

 ブログでの表現方法について、染谷氏は度々「文章が苦手なら自分の得意な表現を取り入れて伝えれば良い」的なことを述べています。つまり文章だけにこだわらず、写真や表、動画も活用すれば良いじゃないということです。
 これには「刺さった!」というよりも、勇気づけられました

 偶然にも私は『ブログ飯』を改めて読む前から、自分のイラストを記事内で使っています。
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(※過去記事の使い回し)

 イラストを使うようになったのは“自分らしさ”を狙ったわけではなく、単に「記事内には必ず画像を使ったほうが良い」という小手先テクニックを知っていたのと、「フリー素材サイトでは時に求めている画像が見つからない」と常々感じていたからです。「画像が見つからないなら、自分で描いてしまえば良いじゃない。丁度たわしっぽいアイコンも作ったし!」なんて勢いで始めたのが、イラストを使うキッカケでした。

 自分のイラストを使うなんて痛々しいかな……と若干ビクビクしていました。しかし、今回『ブログ飯』を読んでビクビクがなくなりました。自分の伝えたいことを相手に分かりやすく、面白く伝えるためなら写真だってイラストだって使って良いのです。そしてその表現方法が“自分らしさ”に繋がったら、それはとてもラッキーなことだと考えられるようになりました。

失敗を恐れず、時には諦める(捨てる)

結果が出ないブログは思い切って捨てる
染谷昌利『ブログ飯』(P.213)中見出しより引用

 これぞ「たわしの帖」が誕生したキッカケでもある。厳密に言えば、少し前までメインブログにしていた「きままりすと」は完全に失敗ではありません。ついでに言えば結果もそれなりに出ているし、検索結果の上位に登場する記事もちらほらある。

 ただ目標に達しているかと問われると、答えは「NO」。だから「たわしの帖」を作って、「きままりすと」は指針にしたのです。なまじ結果が出てるから捨てられなかったのだ……。
 今では「きままりすと」が最大のライバルです。今回みたいな、以前も書いたことがある記事では特に。読者数、PV数、収益、検索結果の位置、すべてを超えるのが目標です。

ブログを捨てても経験とノウハウは永遠に残る

 それなですよ。まさに、経験とノウハウは残ります。経験とノウハウがあるからこそ無駄なものは削ぎ落とされ、取り入れるべきものを積極的に取り入れた新ブログを完成させることがです。

 さらに言えば、経験とノウハウはデザインや記事だけでなく、ブログに取り組む姿勢にも反映されると感じています。

 まず焦らなくなるんです。反応がなくても。開設当初はスターが貰えなくて当たり前、はてブ付かなくて当然! って過去の経験から分かってますから。反応がなくても「スターが付かないよー!><」なんて思いません。「まあ、こんなもんですよね」で済みます。メンタルが強くなった気分になれます。
 焦らなくなったことで、記事の内容や構成の方を深く考えられるようになりました。それからカスタマイズも「もっと良いのあるんじゃない?」と試せるようになりました。

 この気持ちの余裕は、一度ブログをやってみて「これはダメだったな…」という経験が出来たからこそ生まれたものだと思います。失敗は成功のもと。最初のブログで必ず成功しようなんて考えなくても良いのかもしれません。

思い切って心機一転し、新しく最初から構築し直した方が、訪問者に優しいブログ、つまりは「飯が食える」ブログに生まれ変わる可能性が高いのです。
染谷昌利『ブログ飯』(P.214)より引用

ブログ運営に行き詰まった時こそ読んで欲しい一冊

 長々と綴った挙句、最後は自分の体験記まで混じってしまいましたが、とりあえず「『ブログ飯』はいいぞ」とだけ声を大にして言いたい。

 恐らくこれらの本を手に取る時って、ブログ運営に何かしら悩みを持っている時だと思うのです。自分じゃどうしようもない、ネットでの検索はやりきった。じゃあ、本には何て書いてあるんだろう……そういう流れなんじゃないかと。
 『ブログ飯』は2013年に発行された本なので、決して新しい本ではありません。それでも読んでいて、こんなに刺さる部分があります。もしかしたらシステムや環境は変われど、ブロガーの悩みどころと打ち当たる壁は今も昔も変わらないのかもしれない。そんな風に感じてしまうほどハッとさせられる瞬間の多い本でした。

 しかし、本書の冒頭にも書かれていますが、『ブログ飯』の内容を鵜呑みにはしないでください。内容は全て染谷氏の体験談と成功例であり、鵜呑みにして真似をすることは染谷氏の“劣化コピー”になります。
 あくまで“自分らしい”自分だけのブログを作ること。それを念頭に入れつつ本書からヒントを得ようとすれば、必ず「刺さった!」と思える部分が見つかるはずです。

 私はこれだけ刺さったので、今の自分を信じながら運営に打ち込もうかな。また「うぬぬ」となるその日まで、本棚の片隅にしまっておきます。

*1:別ブログ「きままりすと」運営期間含む

*2:『黒子のバスケ』JC8巻 P.145より引用