『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』から見える過去・現代・未来
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を手にしたのは2014年の夏──毎年行われる「カドフェス」で、ピンク色のかわいい表紙に胸キュンしてしまったからだ。つまり角川文庫の戦略にホイホイとはまったのである。
ホイホイされたはよいものの、ノンフィクション作品をそれほど得意としていなかった当時から今日までずっと積んでいた本書。やっと……やっと! 読みました。
率直な感想を一言でいえば、「これは過去の話じゃないな」でしょうか。内容は過去なんだけど、「現代でもあり得る話」といっても過言じゃない内容でした。
続きを読む2月に読んだ本をまとめてみた【食品・ビジネス・ノンフィクション・心理学・小説など】
※2017年4月7日に追記・修正されています。
どもども。こんにちは、こんばんは。本記事をSDカードに保存しようとしたら、10代の頃に書いていた小説の設定や本文を発見して恥ずかしくなった束子です。
データが出てきたのも恥ずかしいけど、読み返して「これ設定を細部まで作り込んで書き直したら、そこそこ面白いんじゃないの?」って思ったことが一番恥ずかしいですよね。ひぃっ!
痛々しい話は終わりにして。いつも当ブログを閲覧していただき、誠にありがとうございます。はてブやスターもありがたや、ありがたや。
そういえば先月の頭に「◯冊読むぞー!」と目標を立てたなぁ……と思い出したので、3月1日の今日もまた読書目標とともに2月に読了した本を振り返ってみたいと思います。
続きを読む嘘だらけの『暗黒女子』は、女子のドロドロがいっぱい!
秋吉理香子著『暗黒女子』が映画化されると知ったのは、主演を演じる女優の出家騒動がキッカケだった。
無事に公開が決まり、試写会のもようを芸能ニュースで見て初めて「この映画の原作、私持ってるんじゃない?」と思い出したのです。
そう、実は忘れてた。約3年前に読了していたことを。
大まかなストーリーとオチ、そして「うーん、なんか物足りない」という感想のみを覚えていた『暗黒女子』。もう二度と開くことはないだろうなぁ……って思っていたのだけれど。折角だから再読してみようと、読了本の山から引っ張り出してきました。
『暗黒女子』はズバリ、女子特有の“イヤミス”ですぞ。
続きを読むレベルアップしたKJ法指南書『続・発想法』が実例豊富で面白い
以前に読んだ川喜田二郎著『発想法 創造性開発のために』の続編、『続・発想法 KJ法の展開と応用』を読みました。
前記事の最後に書いたとおり本書も「『この1冊を読めば、KJ法も情報処理もマスターできる!』というわけではない」。でも、前作よりはKJ法についての情報密度がレベルアップ! ついでに難しさもレベルアップ! しておりました。
読み応えがすごくて、読了後にちょっとだけ頭がボーッとしたぐらいです。はずかちい。
続きを読む『夜と霧 新版』から私達が学ばなければいけないこと
戦争に関する本が嫌いだった。我が家イチの読書家である母が「戦争モノは『アンネの日記』しか読んだことがない」といって嫌っていたから、家に戦争関連の書物は一冊もない。
おかげで、その手の作品を初めて手にしたのは小学生の頃で。けれど、教科書以外で読むことは出来なかった。『はだしのゲン』も1巻冒頭で挫折した。母が読んだ『アンネの日記』も読んでいない。現実逃避だと分かっていても、戦争における残酷な描写を直視するのが嫌だったのです。
あらゆる戦争モノを避け続けて27年。これではいけない、過去に現実だったことにも目を向けなければならぬ──と思い立ち、選んだのが『夜と霧 新版』である。
ほしいものリストから届いたときには、内心「ついに来ちゃったな……」と思いました。来ちゃった、来てしまった。届いたからには読まねば、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。
続きを読むミステリーの答えはどこに?『愚者のエンドロール』を再読してみた【<古典部>シリーズ第2弾】
<古典部>シリーズ第1弾『氷菓』に続き、第2弾の再読記事でござる。
実は『愚者のエンドロール』、本シリーズの中でもっとも苦手な作品です。苦手というか、なんというか……一番胸くそ悪いといいますか、読んだ後に「は?……えぇぇ、マジかぁ」ってなったんですよね。前に読んだとき。
じゃあ今回、読了後になにを思ったかといえば──やっぱり「マジかぁ」でございます。
続きを読む乙一が送る『銃とチョコレート』は苦味たっぷりのビターな児童書
乙一氏の作品といえば『GOTH』、『暗黒童話』、『暗いところで待ち合わせ』などなど……数多くのタイトルが挙げられる。もし「お気に入りの乙一作品を答えよ」と問われたら、十人十色。比較的バラバラな回答が得られるかもしれない。
私が気に入っている乙一氏の作品は『変面いぬ。』と『死にぞこないの青』、そして本書『銃とチョコレート』です。
ジャンルとしては児童書に分類されますが「児童書? なーんだ、お子さまの読み物か」と侮ってはいけません。大人でも十分楽しめる。乙一氏らしいダークで、ビター感たっぷりのミステリー小説です。
バレンタインを口実に再読したけれど、ミルクチョコレートの甘みは一切なかった。そして、やっぱり引き込まれてしまいました。面白い……!
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